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市民のためのジャーナリズム創設を
~浅野教授就任20周年シンポで確認~

『犯罪報道の犯罪』から30年、メディアは劣化の一途

 同志社大学社会学部浅野健一ゼミ主催、OBG会後援で、2014年3月31日、今出川校地にあるクラーク記念館礼拝堂でシンポジウム「浅野健一教授就任20周年記念特別企画 『犯罪報道の犯罪』から30年~日本のジャーナリズムを再考する」が開かれた。シンポの企画趣旨は次のとおりだ。

 [ マスメディアでは、被疑者の逮捕時点で実名報道がなされます。そして、裁判で有罪が確定していないのに犯人のように報道されることがよくあります。このような人権侵害報道を変えるために、浅野教授が共同通信記者時代に提起した「匿名報道主義」(公人は顕名が原則)は、30年経た今もマスメディアで守られていません。この“古くて新しい問題”を中心に、今求められるジャーナリズムの変革について浅野教授とともに考えます。

 浅野教授は昨年10月29日に明るみに出た「定年延長」妨害によって3月末に同志社大学をいったん「退職」します。浅野教授は昨年12月27日、学校法人同志社を相手取り「従業員地位保全等仮処分命令申し立て」及び、今年2月3日には「地位確認」請求訴訟(本訴)を起こしています。

 31日の浅野教授の講演は、二つの裁判の結果次第では、教授が同志社大学教授として行う最後の講義となる可能性もあります。シンポジウムでは、浅野教授の現役記者時代を含めた30年間にわたるジャーナリズム改革活動を振り返りながら、報道界・法曹界のみならず市民社会にインパクトをもたらす有意義な学術シンポジウムとなることを願っております。 ]

 人権と犯罪報道の議論は現在活発とは言えない状況だ。浅野教授は2013年12月27日、学校法人同志社(水谷誠理事長)を相手取り「従業員地位保全等仮処分命令申し立て」及び、今年2月3日には「地位確認」請求訴訟(本訴)を起こして闘争中だ。浅野教授の指導した学生たちが、二つの裁判の結果次第では同志社大学教授として行う最後の講義となるかもしれないという意味も込めて、「強制退職」前日にこのシンポを開いた。
 シンポには約100人の学生、教職員、市民が参加した。総合司会は浅野ゼミOBGで現在同大講師の森類臣氏(メディア学博士)が務めた。また、シンポ終了後、寒梅館内のレストランで約30人が参加してレセプションが行われた。

 以下、シンポジウムの内容をお伝えする。詳しい報告は後日行いたい。