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津田正夫・立命館大教授《『創』8月号山口レポートへの反論》記事(『創』9・10月合併号)が引き起こした新たな人権侵害について |
2009年9月29日 |
「浅野教授の文春裁判を支援する会」事務局
月刊『創』(創出版)9・10月合併号に、《『創』8月号山口レポートへの反論》と題する津田正夫・立命館大学産業社会学部教授(元NHKディレクター)の記事(以下、津田記事とする)が掲載されました。
冒頭の「編集部より」によると、同誌8月号に掲載された《『週刊文春』“浅野セクハラ報道”に完全否定判決/「敵意の伝聞情報」鵜呑み報道に警告》と題した山口正紀・本会事務局長(以下、山口さん)のレポートに対して、「一方的な主張であり、事実と異なり看過できない」と津田氏が同誌編集部に反論掲載を要請し、編集部が「基本的事実に限定して反論掲載を認めることにした」ということです。
この津田記事は、文春裁判の控訴審判決を完全無視どころか厳しく批判しており、あくまで浅野教授はセクハラをしたと強弁しています。控訴審判決は、文春記事の真実性・真実相当性を完全に否定しているにもかかわらず、です。これは浅野教授への明白で悪意ある名誉毀損です。また、山口さんの書いた控訴審判決に基づいた記事を「山口氏の物語」「ドラマティックなストーリー」「美しい陰謀粉砕物語=vなどと揶揄しています。これは、ジャーナリストとしての山口さんへの評価を貶める書き方です。
津田記事は、浅野教授の名誉を再び毀損したのみならず、山口さんへの名誉毀損まで犯しました。
以下、津田記事をめぐる経過を説明していきたいと思います。
今年8月8日深夜、月刊『創』の篠田博之編集長から、浅野教授のもとに、9・10月合併号に津田記事を掲載したという次のような通知がメールで届きました。
《「創」今月号ご覧になったかもしれませんが、津田道夫さんの投稿が載っています。解説してあるように本人から何度か要請があり反論という形で文章を載せました。最初はもっと長い文章で、細かく書いてあったのですが、分量を制約させてもらったものです。法廷上の細かい問題に入っていくとなると編集部として裁判全体を精査しなければならないし、当面そこまでやる予定はないというのが本誌の当面の方針です。渡辺武達さんからも同様の反論掲載の要請が来ていますが、今のところ応じないつもりです。》
9・10月合併号は既に8月7日に発行されていました。同誌編集部は、掲載前に浅野教授および山口さんには何も知らせていませんでした。浅野教授は、篠田編集長から知らされるまで掲載の事実を知らず、山口さんも篠田編集長からメールが来るまで津田記事掲載の事実を知りませんでした。完全に事後通知で、突然、津田記事が掲載されたわけです。
津田記事は、津田氏が同誌8月号に掲載された山口さんの記事に「反論」する形で書いていますが、山口さんの記述に関しての反論はほとんどなく、浅野教授がセクハラをしたと断定し、感情的に非難しており、明白な名誉毀損です。
また、冒頭で述べたとおり、この津田記事には「編集部より」という前文があり《本誌8月号に掲載した山口正紀氏の「『敵意の伝聞情報』鵜呑み報道に警告」で実名批判された、津田正夫立命館大教授から、一方的な主張であり、事実と異なり看過できないと反論掲載の要請がなされた。係争中の問題ゆえ応酬をそのまま持ち込まれると誌上論争が無制限に続くことになる恐れがあるのだが、今回は基本的事実に限定して反論掲載を認めることにした》と編集部の責任で書いています。浅野教授がセクハラをしたと断定している津田記事を、浅野教授の文春裁判の経過を精査・事実確認することもせず、浅野教授に取材・確認することもせず、一方的な「基本的事実」とすることが許されるのでしょうか。
以下、同誌9・10号から問題の津田記事を引用します。(※一部、文春記事には記述がなく、津田氏と三井愛子氏が文春裁判に出した陳述書などにしかない部分は削除します。引用することで浅野教授へ新たな人権侵害を及ぼすからです。読みたい方は津田記事の原文に当たってください。)
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[ 『創』8月号山口レポートへの反論 津田正夫[立命館大学教授]
《編集部より》本誌8月号に掲載した山口正紀氏の「『敵意の伝聞情報』鵜呑み報道に警告」で実名批判された、津田正夫立命館大教授から、一方的な主張であり、事実と異なり看過できないと反論掲載の要請がなされた。係争中の問題ゆえ応酬をそのまま持ち込まれると誌上論争が無制限に続くことになる恐れがあるのだが、今回は基本的事実に限定して反論掲載を認めることにした。
『創』8月号の山口正紀氏(「浅野教授の文春裁判を支援する会」事務局長)の物語を興味深く読んだ。山口氏の物語の大意は、『週刊文春(以下、文春)』が報道した同志社大学・浅野健一教授に関する5つのセクハラ・アカハラ事件(同志社大学4件、立命館大学1件)はすべて捏造であり、大阪高裁判決でその主張が
完全に#Fめられたというものだ。報道被害告発運動の先頭に立ってきた浅野教授が、同大学・渡辺教授派の敵意によって報道被害者にされた。しかしこの陰謀は、正義の反撃で完璧に打ち砕かれた≠ニいうドラマティックなストーリーを、山口氏は『マスコミ市民』(7月号No・486)や『人権と報道連絡会ニュース』(6月25日、250号。人報連ニュース)でも繰り返している。
しかしよく読むと、この美しい 陰謀粉砕物語≠ノは、浅野教授が敗訴したアカハラ事件に触れていないのをはじめ、つじつまが合わない点、隠されている点が多々ある。学生の訴えを直接受けた私は、山口氏が「立命館大学でのセクハラ行為」があったのか否か、事実関係にふれないのはなぜだろうかという素朴な疑問を抱く。まず、山口氏が言及していない「立命館大学事件」の事実経過を簡単に記しておく。
2003年10月9日、立命館大学・津田ゼミのコンパと同志社・浅野ゼミの会場が偶然一緒になった。旧知の間であった私は浅野氏に挨拶し、私のゼミ生たちに 人権と報道問題で著名な浅野教授≠ナあると伝えた。食事会のあとゼミ生E子さんとX子さんが、浅野氏に連絡先のメモを渡し、後日、彼から連絡を受けて一緒に居酒屋「陣」で会った。翌年6月、E子さんが私に初めて「浅野教授からのセクハラを受けた」と相談にきた。「なぜ今まで訴えなかったか?」という私の質問に、「自分の責任もあり、津田先生の友人でもあり、電話番号やアドレスを変更することで、決着すると思っていた。しかし、自分の後輩Y子さんにまで浅野教授から同様の誘いが及んできて、黙っていられなくなった」と述べた。 このE子さんの記録を端折ると、居酒屋には浅野教授と浅野ゼミの男子学生がいて、X子も交えて4人で食事しながら話をした。(※文春記事にも書かれておらず、津田氏と三井愛子氏が文春裁判に出した陳述書などにしか記載のない名誉毀損の記述が181字載っている部分を削除します)彼女は我慢の限界をこえたため、そのようなことをこれ以上続けたら訴えるとのメールを送ったが、からかわれたため、アドレスを変えて逃れた。これらのやりとりは、彼女の直筆で今回最高裁に提出されている。
浅野氏が 人権と報道問題≠ノ実績があることは私もよく知っており、学生の言い分が直ちには信じがたかったのは当然である。私は問題の対処にきわめて深刻に悩んだが、その後大学のルールにしたがって、産業社会学部セクシャル・ハラスメント相談委員のO助教授にとりつぎ、翌月E子さんは、浅野氏の別の誘いを受けている後輩Y子さんと共にO助教授と面談、また同月末、学生センターの担当K職員に同様の事実経過を述べた。詳しい経過は、大学関係者全員の連名で、新証拠として最高裁に出されている。
これに対し、浅野氏自身はどう認識しているのか? 本人の裁判陳述書( 08年9月2日)によれば、「E子さんと食事をした日の後、E子さんに電話をかけたことも、メールを送ったこともないし、抗議されたこともない」(P 23)、「私とのやりとりは電話が数回で、メールも3回ぐらいだ」(P 26)など、何度も変わる。本人が自覚している事実とはどれなのか?〈事実〉の認識に関する浅野氏の象徴的な台詞がある。「裁判は名誉棄損を訴えたもので、セクハラがあったかどうか争っているのではない」(人報連ニュース)。つまりセクハラの〈事実〉より、報道の仕方(自分の名誉)が大事だというのである。ずいぶん都合のいい本末転倒の理屈ではないだろうか。セクハラを受けた上、でっちあげ≠ニ言われる弱者の側の学生の名誉はどうなるのだろうか?
大阪高裁での和解協議も噴飯ものだ。松本裁判長は浅野氏に対して、「E子さんの部分は記事の つけたし≠ナ、主要部分ではないので真実かどうかあいまいにしてもいいと思う」「E子部分については事実関係はあいまいなままとすることで、真実かどうか分からないが(文春が)報道に踏み切ったことについて何らかの謝罪を表明する」ことで和解してはどうか、と提案したという(『支援する会ニュース』2009年7月6日)。つまり裁判長は初めから週刊誌を懲らしめるという政治的結論を持ち、立命館事件を曖昧なままにする判決によって文春を処罰した、というところだろう。セクハラ被害の実態や学生のおかれた弱い立場には考えを巡らせようとせずに、一番大切な事実は故意にぼかしたまま、週刊誌懲らしめ≠フ 材料に使ったといわざるをえない。
立命館事件は、同志社大学関連のもっと深刻な訴えからすると つけたし≠セと思われているようだ。しかし、ひとりひとりの学生にとって受難のトラウマは深刻なのだ。まして彼女らの訴えが、浅野教授を陥れるための「捏造」(浅野「陳述書」P 18)、「偽証」(『支援する会ニュース』)、「被害者は浅野教授」(『マスコミ市民』)などとされたら、太陽が西から昇ることになるのだ。さらに山口氏は、私や教職員がE子さんから聞き取った記録が「伝聞情報」であると言う。私は被害学生の相談を直接に受けている当事者である。「伝聞」という言葉は、事件の当事者でもない山口氏にそのままお返ししよう。
結局、根本的でシンプルな疑問は「浅野教授は、立命館大学女子学生に対して、セクハラ行為をしたのか否か?」という〈単純な事実〉に尽きる。私もムカシは自らを ジャーナリスト≠セと気負い、恥多い人生を過ごしてきたので、えらそうなことを言う資格はないことは自覚しているが、ジャーナリズムの基本中の基本の原則は、小さな事実を確認すること、事実に沿って深く考えること、いつも常識を疑う態度にあるといえる。
旧態依然とした性差別が残る社会の中で、就職の展望も開きにくい女子学生の大きな不安を、マスメディアはどこまで真剣に考えているだろうか。教授より数段弱い立場にいる学生や、学生の保護者、大学関係者、世の中の人が聞きたいのは、〈大学という場〉にセクハラ・アカハラがまかり通っているのかどうかである。正義のジャーナリズムや人権を主張していた人々が、事実を無視し、反権力を隠れ蓑に自分が引き起こしたセクハラ被害者の人権を傷つけているという情けない実態が、今回の問題の本質だと言えよう。 ]
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津田記事の題名は《『創』8月号山口レポートへの反論》となっていますが、中身は全く山口さんの記事の反論になっていません。専ら、浅野教授はセクハラをしたと断定して繰り返しているのみです。津田氏は08年12月2日に控訴審で証言をしましたが(詳しく支援会HP内の「控訴審第4回口頭弁論―津田正夫・立命館大教授証人尋問/次回・2月13日の弁論で結審、春にも判決へ」参照、URL:http://www.support-asano.net/menu/textpage/t-news1/news1_07.html
)、裁判所は判決では津田証言をとりあげませんでした。津田証言の信用性を否定したのです。津田記事は、裁判所が否定した主張を本誌で繰り返しただけでなく、文春記事にもない浅野教授の捏造「セクハラ加害」の詳細を書き連ねています。浅野教授が「立命館大学事件」の加害者(犯人)であると断定して非難する大問題の記事でした。
津田記事にある「新証拠」とは、文春代理人の喜田村洋一弁護士が7月14日に最高裁判所に提出した「上告受理申立理由書」添付の「資料1」「資料2」であることが明らかになりました。「資料1」は、03年当時、津田氏のゼミの学生であったE子(渡辺教授の一審法廷証言によると関西の放送局に勤務)の陳述書です。また、「資料2」は、E子が当時、立命館大内のセクハラ相談員に相談したことは事実だということを、産業社会学部の佐藤春吉学部長、岡田まり教授以下、学部事務長(現、前)ら計5人が連名、署名・捺印入りで書いた文書です。
控訴審判決はE子部分について、真実性・真実相当性を完全否定しており、既に決着がついており、上告審では新たな証拠調べはしないことが原則です。文春側は“追い詰められて迷(暴)走している”としか思えません。文春側の理由書は、渡辺武達・同志社大教授(浅野教授の同僚)、津田氏らの《渡辺グループ》(高裁判決では04年に発足)が下書きした上で、喜田村弁護士が書面化した可能性が高いと思います。また、「セクハラ冤罪」に加担し続けるE子や岡田まり教授ら公人の社会的責任や、役職名を明示して文春側に協力した形となった立命館大学教職員らの法的責任も免れません。
浅野教授は津田記事を読んだ後、立命館大学当局に津田記事と5人連名文書の証拠提出について数回にわたり事実関係を通知し、回答を求めました。
立命館大学は法務・コンプライアンス室(08年4月設立)が中心になって連名文書について調査を始めました。藤田淳人(あつんど)同室次長は9月3日と7日、立命館大学を代表して電話で回答するとして、「5名連名文書に署名した複数の教職員(津田以外)から同文書のコピーを提出させて確認した」ことを明らかにした上で、「津田教授らが個人的に勝手に作成し提出した完全に私的文書であり、立命館大学は何の関与も一切していない」と回答しました。藤田次長はまた、「署名した教職員らは『(文春)裁判で津田教授や文春側に協力する意図は全くなく、(E子らの相談事案について)誤解があってはいけないから、事実関係を述べただけで、(浅野教授による)セクハラ加害の事実があったと表明したものでは全くない』」と説明しました。
また、浅野教授の代理人4人は9月14日、川口清史立命館大学長宛に以下のような質問書を送りました。質問書に、津田記事、上告受理申立理由書の添付資料、これまでのE子さん関連の立命館大学回答文書のコピーを同封し、法務・コンプライアンス室の藤田次長が電話で回答した内容を文書で返答するよう要請しました。
[ 第1 「創」なる雑誌(2009年9・10月合併号、資料1)について
1 頭書雑誌に、津田正夫氏が立命館大学教授という肩書で記事を投稿していますが、同記事の作成に立命館大学は関与していますか。
2 関与したとすれば、いかなる形、方法で関与しましたか。
第2 資料2について
1 資料2が上告受理申立理由書の添付資料として最高裁判所に提出されていることは知っていますか。
2 同資料には、佐藤春吉立命館大学産業社会学部学部長(現ならびに当時)、長谷川哲同学部事務長(現)、徳永寿老同大学教学部次長(当時産業社会学部事務長)、岡田まり産業社会学部教授(当時同学部セクシャル・ハラスメント相談委員)、川元理美経営学部事務長補佐(当時学生部学生センター、セクシャル・ハラスメント担当職員)ら5名が、自らの大学内の肩書きを併記した上で作成し連名で署名捺印していますが、同資料の作成に立命館大学は関与していますか。
3 関与したとすれば、いかなる形、方法で関与しましたか。
第3. 前記資料1の「創」における文春記事のE子さんに関し、当職らが生田勝義セクハラ相談室長(当時)、並びに大阪高等裁判所による調査嘱託等に対しての貴大学の回答には、貴大学の守秘義務によりセクハラ事案について一切口外しないとの見解(資料3〜5)がありますが、津田氏や佐藤学部長らの上記言論の矛盾をどう考えますか。 ]
支援会は立命館大学が津田記事と連名文書などについて精査し、誠実に回答することを期待しています。
一方、浅野教授と代理人は、9月17日、最高裁に「文春理由書は原判決の事実認定をいたずらに論難するものにすぎず、上告受理の要件に該当しないことは明らかであって、反論する価値のないもの」だとした上で、「新証拠」が新たな捏造文書だと主張する答弁書を出しました。
また、この津田記事に対して、浅野教授と代理人は、8月21日付で津田氏と創出版宛に《本件記事は内容が真実ではなく、かつ、通知人の名誉を毀損するものであることは明らか》《本件雑誌を直ちに破棄、回収し、本件記事を削除されるよう(津田殿におかれてはこれに同意、協力されるよう)通知すると共に、貴社らが本件記事を執筆、掲載したことについて速やかに謝罪・訂正などで名誉回復の措置を講じるよう要求致します》などという「通知書」を送付しました。
この通知書に対して津田氏から8月29日付で「抗議書」が浅野教授代理人に届きました。津田氏はこの「抗議書」で《私や私のかつての演習学生に対して、甚だしい事実の歪曲、隠ぺい、侮辱、名誉毀損の言説を繰り返している》《判決が仮に「文春の一部の記事の真実(相当)性」が薄弱だと認定したとしても、それは、浅野氏のセクハラ行為が存在しなかったと認定しているものではない。また、浅野氏と支援者は、一貫して敗訴しているアカハラ問題にはふれず、すべてのセクハラ行為もなかったかのように言い立てるのは、明らかな論理の飛躍であり、倫理感(ママ)の欠如である》と話にならない言説を繰り返しています。浅野教授が中谷聡氏(文春記事の「Dさん」。男性、浅野教授の元学生。現在関西の私大で非常勤講師)へ行った言動は、前後の文脈があり、一般的にはハラスメントとは呼べません。「厳しく指導した」という範囲でしょう。裁判でもあくまでどう定義するかの「評価」の問題であって、行為の問題ではありませんでした。津田氏はここでも「アカデミック・ハラスメント」「セクシュアル・ハラスメント」をわざと混同して用いることにより、浅野教授は「セクハラ」をしたと決め付けています。繰り返しますが、浅野教授は「セクハラ」はしていません。これは、控訴審判決が文春記事の真実性・真実相当性を完全に否定したことにより明らかです。
津田氏はさらに、この「抗議書」で《通知人やその支援代表者は言論の権利を乱暴に行使している》《公共的であるべき言論の公器を使っていたずらに対立図式を煽ったり、自己弁護する前に、教育・研究における大学の役割や現代的課題をしっかりみすえ、次の世代が確かな希望をもてる大学や社会を創るべきでしょう》などと書いていますが、津田氏にそのような倫理観を語る資格があるのでしょうか。津田氏は「週刊新潮」が渡辺教授の大教室でのAV場面を上映した問題を取り上げた記事に関し、校了直前の05年7月に編集部員に何度もメールと電話で「渡辺教授のことより、浅野教授のセクハラを取材して載せるべきだ」と要請していた事実があります。“公共的であるべき言論の公器を使って”「浅野セクハラ」という虚偽情報を書かせようとしていました。まさに津田氏が“いたずらに対立図式を煽っ”ていたのです。その際、面識のない女性編集部員の個人用アドレスや直通電話番号を知っていたことについて、編集部員本人に電話で問い詰められ「元NHKだから分かる」などと言っています。(詳しくは「浅野文春支援会HP」該当ページ〈『救援』 2009年
2月号「津田正夫・立命館大教授(元NHK職員)の嘘・欺瞞性を撃つ 浅野文春裁判、最終局面へ」〉を参照ください。
http://www.support-asano.net/menu/textpage/t-database/kyuen026.html)
津田記事について、山口さんは当然のごとく篠田編集長に抗議し、『創』編集部が浅野教授の訂正・謝罪などの要求に答えた上で、山口さんの反論掲載について協議すると通告しました。山口さんは〈判決が否定した「E子問題」で再び名誉毀損 事実をねじ曲げた『創』9・10月合併号「津田反論」〉で津田記事を全面的かつ詳細に批判しています。「浅野支援会HP」に別途アップされますので、是非お読みください。
また、津田記事について、「人権と報道・連絡会」事務局長の山際永三さん(浅野支援会呼びかけ人)も、津田文書が同会ニュースを歪曲して引用したことについて、津田氏と『創』に抗議しました。山際さんは9月1日付の配達証明郵便で、津田氏および篠田編集長へ手紙を送っています。この手紙は、山際さんが「人権と報道・連絡会」9月14日の定例会で全文を公表しています。山際さんはこの手紙で以下のように津田氏に抗議しています。
《貴殿は、浅野氏の問題を取り上げた本年6月定例会のニュース筆者の山口氏を批判していますが、ご存知のとおり6月の定例会では、富山氷見事件・柳原さんの国賠訴訟提起についての報告があって、半分の時間を当てて浅野氏の対週刊文春裁判について、浅野氏自身による報告を受けました。浅野氏の問題は、この4年以上前から続いていることは百も承知していましたし、私にしろ山口氏にしろ人権と報道・連絡会の会員の多くは浅野氏を支援してきたのですが、「浅野教授の文春裁判を支援する会」という別の運動体を作って、人報連定例会での報告はしてきませんでした。別組織にすることにより、できるだけの公平さ公正さを担保してきたつもりです。浅野氏の裁判が控訴審判決という節目を迎えて、これまでを総括してもらう意味から、人報連定例会で浅野氏に報告してもらいました。
以上、市民運動としての人報連について説明したのは、貴殿の『創』投稿が、人報連定例会の報告者である浅野氏およびそのニュース筆者である山口氏の言動が間違っているという趣旨を含むものであるため、これは単に浅野氏・山口氏への批判・論争というものではなく、運動体としての人報連全体とその歴史への批判・侮辱にほかならないことを貴殿は自覚すべきだということを言明したいから説明しました。市民運動を批判するのであれば、それなりの根拠を示すべきであって、軽く考えてはいけない。》
《貴殿は『創』の投稿で、「学生の訴えを直接受けた私」、「私は被害学生の相談を直接受けている当事者である」と、直接性を強調して書いていますが、直接話を聞いたからその話そのものが真実ということにはなりません。裏付けが必要であることは当然です。
貴殿は、浅野氏の対週刊文春裁判の控訴審で、証人として出廷しました。そして判決は、貴殿の証言の客観性・信用性を否定し、貴殿が訴えを聞いたという「E子」に関する浅野氏のセクハラの存在を否定したのです。そのことを、貴殿は投稿でまったく書いていません。自分の証言は否定されたが、実は裁判所の認定が間違っているのだと、貴殿が主張して書くのであればともかく、法廷という公的な場面での敗北を棚に上げて、「訴えを直接受けた私」をいくら強調しても、しらじらしい限りです。『創』読者を愚弄する行為と言わなければなりません。》
《一方当事者に与するあまり、というより自分の偏見に凝り固まって、反対の視点を持ち得なかった貴殿に対して、私は最大限の警告を発します。貴殿は、裁判経緯を否定して、あくまでも週刊文春記事が正しいと主張するのですか?》
この後、山際さんへの手紙に対し、9月18日に津田氏から回答(3ページ、配達証明)がありました。山際さんへの抗議文を自分で勝手に6項目に要約して反論しています。回答内容はすべて言い訳じみていて、「私信」だから浅野教授や山口さんには見せないようにとも書いてあるそうです。
最新の動きとしては、先日9月23日夜に浅野教授と山口さんへ、《有限会社 創出版 代表取締役》の肩書きで、篠田編集長からメールで回答書(書面では22日付)が添付ファイルで送られてきました。編集長回答は受け入れがたい内容で、山口さんは9月26日、篠田編集長に対し、《津田氏の反論を「基本的事実」と認識して掲載した編集部の判断の誤りを認めることが先決でしょう》と通告し、浅野教授を交えて3人での話し合いを求めています。
浅野支援会事務局は、この件を津田氏ならびに月刊『創』による浅野教授への新たな人権侵害と捉え、浅野教授の名誉回復の闘いを支援していく所存です。また、津田記事は山口さんへの深刻な名誉毀損であることも当然ながら考慮していかなければならないと考えています。
支援者の皆様のご理解とご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。(了)
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