浅野文春裁判支援会事務局より、東京地裁で行われている対渡辺教授裁判の第一回期日が決まったことをお知らせいたします。
浅野健一同志社大学教授が9月2日、文春記事の「キーパーソン」である同僚の渡辺武達教授(東京・五反田に事務所兼住宅のマンションを保有)を相手取り、3850万円の損害賠償を求め東京地裁(民事第7部、山崎勉裁判長)に起こした訴訟(以下、渡辺裁判)で、東京地裁民事7部は第1回期日を2010年1月18日(月)午前11時から開くことを決めました。
第一回期日は、口頭弁論ではなく、同地裁民事7部準備室(ラウンドテーブル)で、弁論準備手続(電話会議)として行われます。公開の法廷ではなく、準備室で行われる理由は、被告代理人である京都総合法律事務所の池上哲郎、拾井美香両弁護士側から同地裁に対し、「第1回期日を口頭弁論ではなく、電話会議による弁論準備手続にしたい」との要請があったためです。
今回、原告の浅野教授側は地裁の判断に従いますが、民事裁判も公開が原則であり、弁論は法廷で開かれるべきです。裁判の傍聴人が電話会議の場に入れるかどうかも問題です。
渡辺裁判も京都地裁、大阪高裁で審理された文春裁判(上告中)と同様に、浅野教授を支援する人々が傍聴して、「メディア学者が“セクハラ”をでっちあげ悪徳メディアを利用した罪(sin)を究明する場としたい」と考えているからです。
渡辺裁判の第1回期日は、当初、10月26日(月)午前10時15分から東京地裁で行われる予定でした。しかし、地裁が渡辺氏の都内の住所に送った訴状が9月19日まで「不在」のため送達できなかったことが分かり、地裁は改めて同志社大学の渡辺教授の研究室宛に送付しました。
被告側は10月8日付で、「移送申立書」を東京地裁に提出し、東京地裁から京都地裁への裁判所変更を求めていました。この申立文書で、渡辺側の代理人弁護士が池上、拾井両弁護士であることが分かりました。池上弁護士は渡辺教授の対週刊新潮訴訟(渡辺教授の完全敗訴が確定)の代理人を務めた弁護士で、現在、京都弁護士会副会長です。
渡辺教授側はこの「移送申立書」で「不法行為」のほとんどが京都で行われたと主張していました。
原告側は同申立書に対する意見書を提出、その後、被告・渡辺教授から再反論がなされ、原告側が第二意見書を出すなどのプロセスがありました。
東京地裁は10月28日、「裁判所としては、移送の判断にあたり、本件における主要な争点が何であるかを確認したい。そのため、被告には、来週中くらいを目処に答弁書を提出してもらうこととした。原告には訴状に引用している書証を提出してほしい」と原告側に要請しました。
浅野教授側は11月2日、証拠説明書と書証(甲1〜甲15)を提出しました。
一方、渡辺教授と代理人弁護士は、東京地裁に11月5日、訴状に対する「答弁書」を提出しました。
東京地裁は11月19日、原告の浅野教授および代理人の主張にほぼ沿う形の結論を出し、被告の渡辺教授側が求めていた移送申立を却下しました。被告側は却下決定に対する即時抗告(期間は1週間)ができたのですが、なぜか抗告せず、移送却下決定が確定しました。それに伴い、第1回期日が10年1月18日に決まりました。
東京地裁は渡辺教授側の主張をことごとく退け、原告の弁護士7人のうち5人が東京にいることに合理的な理由があると認めました。
浅野支援会では、浅野教授の渡辺教授裁判について、今後も裁判の進捗状況をお知らせしていくつもりです。支援者の皆様には是非、注目かつ継続支援していただきたいと思います。(以上)