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■支援会ニュース
支援会ニュース SUBJECT 掲載日
河野義行さん、霍見芳浩さんが自治自立能力なしの同大当局へ“渇” 2009年7月6日

 7月1、2日、河野義行さんが浅野教授の担当する講義のゲストスピーカーとして同志社大学に来てくれました。その折、河野さんは八田英二学長宛に要望書を出してくれました。
 また、7月3日にニューヨーク市立大学経営大学院教授・霍見芳浩教が同志社大学で、1回生浅野ゼミでのゲスト講義と夜の公開講演会を行ってくれました。霍見教授は3日午後、同大のキャンパス・ハラスメント防止に関する委員会(CH委員会、旧称セクハラ委員会)を所管する倫理審査室の田中憲次主事らに要望書を提出しました。霍見教授の大学当局者への要請行動には、小原健司弁護士が同行してくれました。
 浅野教授の事案を6年経っても、「裁判で係争中」を理由にたなざらしにして、悪徳メディアを使って浅野教授を闇討ちした「浅野教授に敵対する渡辺武達教授グループ」(2審判決では2004年発足と認定)の守秘義務違反、名誉毀損の言動を不問にしている同志社大学当局の責任が問われています。
 CH委員会の「審議中断」問題について、同志社大学教職員組合の組合三役(越智礼子委員長、副委員長、書記長、副書記長の4人)が6月5日、中山健二総務部長との三役折衝で、浅野教授の事案を取り上げました。
 中山総務部長は「5月15日に高裁判決があったことは承知している」「A先生(大学側は浅野を終始、仮名扱い)の方からは学長と委員長へ質問書が来ている。資料も一式いただいている。倫理審査室で対応している。大学の外で裁判がされている。双方が上告している。CH委員会を進めると、資料が裁判に出ると影響を及ぼす恐れがあるので、けいけいには動けない。この件の対応は倫理審査室に委ねる」などと表明しました。
 組合側は「この事案そのものがあまりにも長く審理されている」と指摘したが、総務武長は「裁判に影響を与えてはいけないので静観する」と重ねて強調しました。
組合による本格的取り組みが始まっています。
 以下は、河野さん、霍見さんによる要請行動に関する支援会事務局からの詳しい報告です。

―――――――――

<河野義行さんが、CH委の件を大学当局へ申し入れ>

 7月1、2日、河野義行さんが同志社大学社会学部浅野健一教授の講義のゲストスピーカーとして同志社大学に来校した。その折、河野さんは、浅野教授が「同志社大学キャンパス・ハラスメント防止に関する委員会」(旧称・セクハラ委員会、以下、CH委)の被申立人として6年近くも放置されている現状に対して、同志社大学として早く公正な結論を出すようにという要望書を大学当局に提出し、また口頭でも同様の要請をした。
要望書は八田英二学長宛で、当初は、河野さんは学長に面談することを要望していたが、学長が出張のため不在であり、大学総務部庶務課(学外からの問い合わせなどの総合窓口業務を行う)の柳井望課長が代理として河野さんと会うこととなった。河野さんは、2日午後3時10分頃浅野研究室まで来た柳井課長と会い、面談した。浅野教授のほか、浅野ゼミ生・大学院生数人が立ち会った。
河野さんは柳井課長へ要望書を渡しながら「今日は八田学長宛に要望書という形で文書を出させていただこうと思っています。内容的には浅野教授に関する事案です。学長へお渡しください」と伝えた。柳井課長は「間違いなく八田学長に届けます」と約束した。

 

※以下は要望書の全文---------

要 望 書
                           
同志社大学長 八田英二様

 私は松本サリン事件の被害者で、事件直後から警察とメディアによって犯人扱いされた経験がある河野義行と申します。世間が私を敵視していたころの1994年9月14日、貴大学の浅野健一社会学部教授が私の自宅を訪問し、事情聴取され、翌日の市民集会にて、捜査当局と報道機関の問題点を指摘されました。また、私が初めて講演したのが同志社大学の浅野ゼミ主催のシンポジウム(1995年11月17日)です。
 それ以来、私は浅野教授と共に、メディアと司法の改革を求めて講演活動などを一緒に行ってきました。
私の尊敬する浅野教授が2004年1月(実質的には2003年9月)から、「キャンパス・ハラスメント防止に関する委員会」(以下、CH委とする、04年当時は「セクシュアル・ハラスメント防止に関する委員会」)での被申立人のままになっていることを聞き、非常に憂慮しています。
私はサリン事件発生から約1年間、社会から事件の被疑者として扱われました。自分にとってこの1年間はとてつもなく長く、屈辱的なものでした。ましてや、浅野教授のように5、6年もの間、審議を中断され、被疑者として放置されることは、社会通念上許されることではありません。浅野教授の支援者として、下記のように要望いたします。



1. 浅野教授は実質6年近くも“セクハラ疑惑”の「被申立人」として放置されており、社会通念から見ても、これは重大な人権侵害であります。CH委に対して、申立人らの秘密保持規定違反などによる申し立ての審議結論を速やかに決定するように指導してください。
私は、CH委が申立人らの申立ての却下=調査の打ち切りが相当と考えます。
2. CH委に対して、大学の内規に基づいて、「法の適正手続き」(due process of law)に厳格に従って結論を出すように指導してください。
3. CH委は、浅野教授の文春裁判(文春相手の民事訴訟)の進捗如何に関係なく、大学独自の判断に基づいて速やかに審議し結論を出すよう指導してください。何故ならば、CH委は申立人の申立て内容について独自に調査し、規則と証拠にもとづいて審議すべきことであり、文春を被告としている浅野教授の名誉毀損メディア訴訟とは本来別の事案と考えます。CH委のような独立性を持った大学機関の結論が、民事裁判の結果に左右されることは大学の自治を侵す問題であると考えるからです。特に、同志社大学は教育目標として「自治自立の精神」を挙げており、CH委の独立性・独自性を保てなくなることは、同志社大学の教育目標にも反するからです。
4. 申立内容を週刊文春記者に情報提供をしていた申立人らの行為は大学教職員による守秘義務違反・プライバシー漏洩に当たるのではないのでしょうか。浅野教授の文春裁判控訴審判決は《(渡辺教授が)文春らの取材に協力することは、本件大学の信用を傷つける行為となるが、本件大学のセクハラ委員会が再調査を始めたという状況にありながら、文春への情報提供をしたのは、本件大学への不信感と原告への強い敵対意識を窺がわせる》と認定しています。本件における申立人ら(渡辺教授を含む)の行為について、厳正に調査し適切な対応をとるように、CH委に助言指導を行ってください。
以上
2009年7月1日
                  
(※本来は河野さんの住所があるがカット)
                                  河野義行 ㊞


―――――――――――――――――

<ニューヨーク市立大学経営大学院・霍見芳浩(つるみ・よしひろ)教授が、CH委の件を同志社大学当局へ申し入れ>

ニューヨーク市立大学経営大学院・霍見芳浩(つるみ・よしひろ)教授が、2009年7月3日午後3時5分、同志社大学今出川校地・有終館一階の同志社大学倫理審査室で、同室の田中憲次主事と面会し、浅野健一・社会学部教授が「同志社大学キャンパス・ハラスメント防止に関する委員会」(旧称・セクハラ委員会、以下、CH委)の被申立人として6年近くも放置されている現状に対して、大学として早く公正な結論を出すようにという要望書を提出し、また口頭でも同様の要請をした。霍見教授は八田英二大学長、石川健次郎CH委員長の代理人にも会って要望書を手渡した。
文春裁判支援会の森類臣・同志社大学嘱託講師と浅野教授の代理人、小原健司弁護士が立ち会った。霍見教授は同日、浅野健一ゼミ主催の講演会とゲスト講義に参加するため、同志社大学に来校していた。

 霍見教授は田中主事に要望書を手渡しながら、以下のように申し入れた。

「私は浅野教授を支援している立場です。私がこの問題に深くコミットしたのは、2006年1月に評論・社会科学78号紀要が私の元に送られてきて、そのすぐ後に、編集委員から『送付した評論・社会科学78号を送り返してください』という手紙が来てからです。「紀要の論稿としてはそぐわない内容があるから回収したい」という趣旨だったと思います。私は、『評論・社会科学』78号に掲載されている論文の中で、ワールド・クラスの論文は浅野教授のものだけと思っていました。学問の自由と、学者としての私の矜持に関わる問題だから、『回収には応じられない』と言って拒否しました。
浅野教授が自身と同志社大学の名誉回復の為に『週刊文春』を相手にした名誉穀損訴訟はご存知だと思いますが、同志社大学CH委と社会学部教授会の対処は、同志社大学の品格を傷つけていると思います。CH委にかかっている問題は、学外の民事裁判のプロセスとは関係なく、大学独自の判断をするべきです。私がいるアメリカの大学ではそれが常識です。
今回のケースのように、申立人がCH委に無断で『浅野教授が学内CH委の被申立人になっている』という本来守秘されるべき事実を脚色して学外にリークし、この「事実」を浅野教授のクロの証しとして世間に喧伝した場合は、学外の司法の判定とは無関係に、大学は申立人を大学教師としての公正と品格を欠くとして、最低でも譴責処分にします。しかし、同志社大は申立人を不問にしています。この事実が既に同志社大の名誉を傷つけています。 
一日も早く、同志社大学としてCH委の結論を出し、大学の自治と学問の自由の証しをお示しいただきたい。この問題はすでに単に学内の問題だけではなく、同志社大学がこの件をどう扱うのかが問われている。大学外の人たちは、同志社大学の判断に注目しています。そういう意味でも、きちんとした判断をしていただきたいと思います。以上のことを、要望書とともに申し入れます」。

またこの後、午後3時15分ごろ、同学庶務課・柳井望課長にも、同様の申し入れをした。森氏が有終館一階の受付を通して柳井課長と同学・八田英二学長の秘書である田中氏に「ニューヨーク市立大学経営大学院・霍見芳浩教授から、浅野健一教授の件で申し入れたいことがあるので、庶務課・柳井望課長と八田英二学長の秘書である田中さんに面会を求めたい」と伝えたところ、5分後に柳井課長が有終館2階から降りてきた。霍見教授は、要望書を柳井課長に手渡しながら、倫理室の田中主事のときと同様の申し入れをした。柳井課長は「私の責任で確実に八田学長へ届けます」と言った。霍見教授は「アポなしで訪ねて申し訳ないが、よろしくお願いします」と言った。

午後3時20分には、要望書を石川健次郎・CH委委員長(商学部教授)へ手渡すため、至誠館1階にある商学部事務室へ向かった。商学部事務室事務員が対応した。森氏が事情を説明し、石川委員長へ連絡をしてもらったが、学内(研究室)不在だということだった。  
森氏が「では、霍見教授の要望書を確実に届けてもらいたいので、事務長はいらっしゃいますか」と尋ねたところ「今日は出張でいませんが・・・」という返事だったので、「では、事務長に次ぐ地位の方をお願いしたいのですが・・・」と尋ねたところ、霍見教授が事務員に対して「いや、あなたでいいです。この要望書を石川教授へお願いしたい」と言った。事務員は「確かにお預かりしました」と言った。森氏が「今日のやりとりとともに石川委員長へ確実にお願いします」と念を押した。

 

(了)

※以下、要望書全文---------------

2009年7月3日
同志社大学
八田英二学長殿

拝啓
突然に不凍ながら、貴大学のキャンパス・ハラスメント防止に関する委員会 (以下CH委) の石川健次郎委員長宛に私信をしたためました。御一読いただけませんでしょうか。

同志社大学のCH委はこれまでも浅野健一教授に関するセクハラとアカハラの冤罪の判定を延び延びにしています。これが不幸にも世間には「浅野教授のクロを同志社大が認めている」 との印象を与え続けています。これがいかに同志社大学の品格と名誉を傷つけているかを御賢察いただけませんでしょうか。一日も早くCH委としての判定を御教唆いただければ幸いです。

敬白
ニューヨーク市立大学教授
霍見 芳浩 ㊞

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2009年7月3日
同志社大学
キャンパス・ハラスメント防止に関する委員会(以下CH委)
委員長 石川健次郎教授殿

拝啓
突然にお便り致します非礼を御寛恕下さい。私はニューヨーク市立大学教授で、今回貴大学社会学部メディア学科の浅野健一教授のお招きにより、先ほど浅野ゼミでのゲスト講義を済ませました。 また、御賢察かと存じますが、浅野教授が御自身と同志社大学の名誉回復の為に、『週刊文春』を相手にした名誉毀損訴訟の行方とこれに対するCH委及び社会学部教授会の対処は、米国での同志社大学の品格イメージを傷つけて来ていると憂慮して参りました。
本年5月15日の大阪高裁での浅野教授の全面勝訴で、遅まきながら同志社大学のCH委も大学の為にも、浅野教授の名誉回復の結論を出し、世間に同志社大学の品格を示したかと思っておりました。ところが、 CH委は文春側が大阪高裁決定を不服として最高裁に上告したから、 CH委としての結論を出さないと聞きました。この為に、引き続き「浅野疑惑」のクロを世間に印象づけるのに不当に加担していると見なされています。同志社大学の為にも、日本の為にも非常に不幸な事です。
一日も早く、同志社大学としてCH委の結論をお出しいただき、大学の自治と学問の自由の厳正な証しをお示しいただけませんでしょうか。私の大学も含めて、米国の大学でも似た様な事が生じる場合がありますが、学外の司法判定のプロセスとは別に学内のCH委が迅速に独自の調査で申立人と被申立人の間のクロシロの判定を下します。まして、今回の同志社大のように、申立人がCH委に無断で「浅野教授が学内CH委の被申立人になっている」という本来守秘さるべき事実を脚色して学外にリークしては、この「事実」を浅野教授のクロの証しとして世間に喧伝した場合は、学外の司法の判定とは無関係に大学は申立人は大学教師としての公正と品格を欠くとして、最低でも護責処分にします。しかし、同志社大が申立人を不問にしている事実が既に同志社大の名誉を傷つけています。同志社大を尊敬し、弁護をしている者の一人としてお伝え致します。

敬白
ニューヨーク市立大学教授
霍見 芳浩 ㊞

cc : 同志社大学八田英二学長殿
田中憲次主事殿
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