冨田安信・前社会学研究科長を・神戸地裁に提訴、第1回期日は5月11日
2014年3月末、学校法人同志社から不当解雇された浅野健一・同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻博士後期課程教授は2016年2月22日、神戸地方裁判所に冨田安信・大学院社会学研究科産業関係学専攻教授(前・社会学研究科長兼社会学部長)=兵庫県宝塚市在住=を相手取って損害賠償請求を求めた訴状を提出しました。原告訴訟代理人は 山下幸夫弁護士(新宿さきがけ法律事務所、東京弁護士会)
訴状を受理した神戸地裁は、この損害賠償請求事件を神戸地裁第4民事部(3B係)係属と決め、第1回口頭弁論は5月11日(水)午後1時10分、神戸地裁227号法廷と決まりました。被告側は出頭しないと思われます。裁判官は寺西和史裁判官で、単独審理です。
冨田氏は、浅野教授に敵意を持つ渡辺武達教授グループ(文春確定判決で2004年設立と認定)の指示を受けて、浅野教授を「定年延長拒否」という形で同志社大学から完全追放させた中心人物。2013年、メディア学専攻博士後期課程2年だった矢内真理子氏(研究テーマは「福島原発事故とメディア」)は2013年11月、「浅野先生を追放する勢力の中での一番のワルは冨田」と公言していました。
浅野教授は2014年4月以降もなお同志社大学における教員(従業員)の地位にあることの確認を求めて,学校法人同志社を被告として、同年2月3日、京都地方裁判所に従業員地位確認等請求訴訟を提起しており、同訴訟は現在も係属中ですが、冨田氏はこの裁判で、松隈佳之・社会学研究科事務室事務長と共に、毎回傍聴しています。冨田氏はまた、浅野教授を不良教授と断定した長文の陳述書を提出しています。
原告の浅野教授は冨田氏の2013年10月末から今日までの一連の行為を不法行為として損害賠償金として528万円を請求しました。訴状の添付資料として、「◎定年延長に関する審議結果のご連絡」並びに「浅野教授 定年延長の件 検討事項」と題する文書、地位確認請求事件の陳述書、原告の「平成28年度(2014年度)基盤研究(C)(一般)研究計画調書」と題する文書、「矢内真理子さんの受入研究者の変更について」と題する日本学術振興会宛の文書を提出しました。
詳しくは末尾の訴状要旨を読んでください。
訴状は代理人の山下弁護士が2月22日午前、神戸地裁を訪れて提出しました。冨田氏が代理人に誰を選ぶかが注目されます。学校法人同志社、怪文書教授5人が代理人に選任している俵法律事務所(大阪)の小國隆輔・多田真央両弁護士に依頼すれば、利害相反の問題が出てくるでしょう。
神戸地裁の住所は次のとおりです。
〒650-8575 兵庫県神戸市中央区橘通2-2-1
(JR神戸線 神戸駅 北徒歩7分 神戸高速鉄道 高速神戸駅 北徒歩5分 市営地下鉄 大倉山駅 南徒歩5分)
関西の方々の支援をお願いします。
☆冨田氏提訴の訴状の要旨は次のとおり。
〔 ①定年延長を拒否し解雇に至らしめた
〈まず、被告の不法行為として、原告を同志社大学から追放させる一連の行為について〉として、〈2013年8月中旬以降,同志社大学において,原告に対して敵意を持つ渡辺武達教授の意を受けた被告は,同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻の教授らと共謀し,原告の1年目の定年退職延長を妨害し,原告を同志社大学から完全追放するとともに,ジャーナリズム研究の拠点だった原告のゼミ並びに研究室を解体するため,以下に述べるように,次々と既成事実を作り上げて行った〉と述べた。
〈原告の定年延長をしない旨の臨時専攻会議に瑕疵があることを知りながら研究科委員会での採決を強行した行為〉
〈研究科委員会で名誉毀損文書を配布した行為〉
〈原告の担当科目を休講にし,その担当者を「未定」扱いにした行為〉
〈留学生の受入教員やプロジェクト科目等の担当者から原告を外した行為〉
〈大学院生6名に指導教員の異動を伝える手紙を送付した行為〉
〈原告担当のゼミの平成26年度の指導をさせず,ゼミ説明会での登壇を妨害した行為〉
〈次年度1・2年生対象のゼミ説明会での原告の説明を妨害した行為〉
〈政府奨学金生に対する指導を打ち切った行為〉
〈原告による科研費申請を無駄にした行為〉
〈原告を名誉教授にすることを妨害した行為〉
② 独立行政法人日本学術振興会への名誉毀損文書の提出行為
〈被告は,2014年4月2日付の「矢内真理子さんの受入研究者の変更について」と題する文書を,独立行政法人日本学術振興会の理事長安西祐一郎宛に提出した。
被告は,本件提出文書において,日本学術振興会特別研究員に決まっていた訴外矢内真理子について,「浅野氏には採用時特別研究員受入研究者変更届に署名・捺印していただくようお願いしてきました。」,「研究科長から数回お願いしましたが,今日まで,浅野氏からは受入研究者の変更届に署名・捺印するというお返事はいただけませんでした。こうした事情により,浅野氏の署名・捺印がないまま,矢内さんの受入研究者の変更届を提出せざるを得ませんでした。」,「矢内さんにつきましても,彼女が学会報告したとき,浅野氏以外のメディア学専攻の先生が事前に彼女の報告原稿を読んでアドバイスしていたと聞いております。」などと述べている。
しかしながら,原告は,被告から,受入研究者の変更届に署名・捺印だけをするようメールで連絡を受けたことは一度だけあるが,原告は矢内氏と「新受入研究者」との話し合いが欠かせないとして,被告に何度も要請し,松隈事務長,研究支援課長,学振担当係長らにも連絡をとるなどしたのであり,上記の内容は事実に反している〉
③原告の地位確認請求訴訟において,虚偽の説明をして,裁判所職員をして警備に当たらせた行為
〈被告は,2014年6月ころ,原告が提起した地位確認請求訴訟が係属している京都地方裁判所の総務課長である訴外藤本昌彦に対し,学校法人同志社の訴訟代理人である小國隆輔弁護士を通じて,「(原告の)仮処分審尋,裁判の口頭弁論で,原告の支援者が同志社大学の関係者をビデオ撮影した」との説明をして,警備を要請させた。
しかしながら,原告の支援者が,被告ら大学の関係者を裁判所内でビデオ撮影した事実はなく,その説明は全く事実に反する虚偽のものであった〉
(以上)