INDEX

HOME

「浅野担当科目の休講は問題」と記事で指摘 ――学内メディア「同志社PRESS」(浅野健一)

 同志社大学の学生たちでつくる新聞、「同志社大学PRESS」が2014年12月4日号で、私の雇用問題について初めて報じてくれました。学生記者の署名入りです。取材依頼のメールがあったのが7月22日でした(注1)。9月初めに大阪市内で学生記者2人から取材を受けました。記事になるまで、いろんな外圧があったのではと推察しています。記事を書いてくれた学生記者の文学部3年生と編集部のみなさんに心より感謝します。原告の浅野健一から報告します。

 同志社PRESSの記事はベタ記事ですが、村田学長の大きな写真の横に「奪われた学びの場」という的確な見出しで、私の解雇に伴う多数の担当科目の休講措置について報道しています。メディア学科の複数の学生が取材に応じたそうです。記事の中に学科学生のコメントがあります。

【写真】「同志社PRESS」の記事

  被告の学校法人同志社と同志社大学は、私がいなくなっても「一時帰国中の留学生を除いて誰も困っていない」と書面で繰り返し主張していますが、学生要望書署名に続いて、学生報道機関が、「学生たちが浅野の授業の休講によって、学生たちの学ぶ権利が侵害され、学生が不利益を受けている」と報道したことで、大学の主張が虚偽であることが証明されたと原告の私は思っています。

  同志社PRESSが誕生した際、私も少しかかわりました。関西の他大学とも連携している新聞で、学生記者たちの集まりで講師を務めたこともあります。

  私は学生記者から取材があった後、9月11日に以下のようなメールを元ゼミ生に送りました。

  【「同志社大PRESS」http://www.unn-news.com/doshisha/ のメンバーである文学部3年生の取材にぜひ応じていただきたいのです。

  9月7日午前に大阪市内で2人から2時間半取材を受けました。2人は何とか記事にしようと努力してくれています。学生の教育を受ける権利が侵害されている、メディア学科の教育環境が悪くなっているという事実の裏付けが必要だそうです。そのためには、被害を受けている学生の声を聞きたいそうです。

  学生記者から7日に来たメールです。

  《折り入って一つお願いがございます。元ゼミ学生の連絡先を教えていただけますでしょうか?浅野教授が定年延長を却下され、その結果ゼミや授業がなくなったことに関して意見をお聞きしたいと存じております。》

  私の担当科目を休講にしたまま、1年間も何の補充もせずに放置している大学は、他の国ならアウトだと思います。

  私を突然解雇した同志社大学の措置によって、学生にマイナスのことが起きていると考える方がおられたら、ぜひ取材に協力してあげてください。

  私からのメールは迷惑かもしれませんが、このメールは学生記者からの依頼があったので、送らせてもらいます。どうぞよろしくお願いします。】

  この記事はいずれネット(http://www.unn-news.com/doshisha/)にもアップされるそうです。

  とても不思議なことですが、同志社PRESS12月号が学内の学生ラウンジなどに全くないようです。学生支援者の4年生が14年12月中旬、24日に開かれた裁判の傍聴者に配布するため今出川校地で同志社PRESSを探しましたが、一部も見つかりませんでした。学生は大学広報課にも聞きましたが、「同志社PRESSはない。発行者に聞いてくれ」と言われたそうです。学生は同志社PRESSにメールで問い合わせましたが、返事がないそうです。

  私も学生記者に、「同志社PRESSが今出川のどこにもないと支援学生が言っています。まさか大学当局が撤去したのではないと思うのですが……。調べていただけませんか」と問い合わせをしましたが、返信はありませんでした。

  同志社PRESSが私の雇用問題を取材し始めた際、大学当局が圧力をかけて記事をつぶすのではないかという危惧の声がありました。「絶対出ないでしょう」と言う人もいました。実際、記事は取材から3カ月以上もたって掲載され、字数も制限されています。新聞が出るまで、さまざまな妨害があったのでは想像します。しかし、こういう形で、「字にした」同志社PRESSのみなさんに心からの敬意を表します。

  この裁判をめぐっては、いろんなことが起きますので、そのうち真相が判明することでしょう。 

  日本で最も古い学生新聞の一つとして伝統ある同志社学生新聞(同志社大学学生新聞局、大学公認団体)が取材し、報道してくれるのはいつのことでしょうか。私は同紙の学生記者に何度も取材して記事にしてほしいと要請しています。

  同新聞局のHPによりますと、《同志社学生新聞局では、授業月に一度新聞を発行し、学内でおこる様々なニュースを報道しています。もちろん、ニュースだけではなく、コラムなどの娯楽記事も数種執筆します》ということです。現職の大学院教授と学校法人との裁判は「学内で起こるニュース」ではないのでしょうか。

  (http://www.d-live.info/club/sports/index.php?c=club_view&pk=1364458349

  私の解雇問題については、朝日・読売・毎日の三紙と共同通信、時事通信は一字も報道していません。三紙は京都地方版のニュースにもしません。私はこの裁判に関し京都地裁の中にある記者クラブで記者発表を数回行っています。日本で二番目に古い私学の大学教授が学校法人(大学)を訴えているのに、市民に伝えないというのは非常に不思議なことです。こういうblack out(黙殺)はジャーナリズムの原則に反していると思います。

  三紙と二大通信社に心ある記者が、同志社PRESSの学生記者から学んで、私の雇用問題を記事にすることを期待します。

  --------------------------------------------------

  (注1)2014年 7月 22日に学生記者から浅野に届いたメール;

同志社大学社会学部 浅野 健一 様

  お忙しいところ、突然のご連絡恐れ入ります。同志社大学、同志社女子大学に関するニュースを配信している同志社大学PRESSの記者です。私たちの団体は、主に同志社大学および同志社女子大学の学生、大学に関するニュースを、新聞やネットで配信しています。

  この度、浅野教授の定年延長問題にまつわる出来事や先生ご自身の意見をお聞きしたく、ご連絡を差し上げました。具体的には、

  ・定年延長制度に関する裁判の経緯

  ・定年延長を拒否されたことに関する先生のご意見

  ・教育や授業に対してのご意見

  などを伺い、9月に配布する同志社大学PRESSの本紙、ホームページに掲載したいと存じております。もしよろしければ、ご都合の良い時間にお話を伺ってもよろしいでしょうか?

  大変勝手なお願いではございますが、ぜひご検討いただきますようお願い申し上げます。

  またのご連絡をお待ちしております。