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浅野教授の対渡辺裁判控訴審で浅野教授が完全勝訴、賠償額も増額

 浅野健一・同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻教授が2009年9月に同僚の渡辺武達教授を相手取り名誉棄損・損害賠償を求め提訴した対渡辺裁判(渡辺氏も反訴)の控訴審判決が、6月13日午後1時15分から東京高裁511法廷で言い渡された。 東京高裁判所民事七部(市村陽典裁判長)は本訴被告の渡辺氏に71万円の損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡した。

 賠償額は2012年12月3日の東京地裁判決(堀内明裁判長)より30万円増額になった。渡辺氏側の請求は今回もすべて却下された。一審に引き続く浅野教授の完全勝訴となった。

 判決文によると、一審では認められなかった第二行為(文春記事コピーの学内ばらまき)が認定された。また、第四行為(別件の和解文書のばらまき)について、賠償額を増額した。

 第一行為(渡辺氏による文春への情報提供)については、判決では「文春の責任」として、残念ながら認められなかったものの、「渡辺氏が取材に応じなかったら、記事が成立しなかった」などと厳しく指摘している。原告代理人の山縣敦彦弁護士は「第二行為が認められたのは大きい。第一行為は、賠償は認められなかったものの渡辺教授の関与を強く論述しており、大きな意味がある」と述べた。判決は、渡辺氏側の反訴の主張をすべて明確に否定した。特に、渡辺氏が支援会のHPを名誉棄損と主張していることについて、公開の裁判の経過を伝え、感想や論評を行うことは当然と強調した。

 浅野教授は「個人間の争いで71万円もの賠償を命じたのは大きい。一審の認定を維持した上で、文春記事コピーを学内の教職員にばらまくなどの渡辺氏の2003年秋以降の言動の悪質性を新たに認定して、30万円を増額したのは予想を上回る勝訴でうれしい。弘中惇一郎弁護士らすばらしい弁護団と、困難な状況の中で応援し励ましてくれた支援者のみなさんのおかげだ」とコメントした。

 当支援会の山口正紀事務局長は「全面的な勝利だ」と評価した。支援者の一人は「判決文は長文で、渡辺氏の行為についてかなり踏み込んで厳しく叱責している。特に、学内で文春記事をばらまいたのは、同志社大学の中で浅野教授を知る人たちに読ませることを企図しており悪質と認定したのは大きい」と語った。