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支援会事務局から
浅野教授の対渡辺武達教授裁判 第4・5回期日の報告

第4回期日

 浅野健一同志社大学教授が昨年9月2日、週刊文春による人権侵害記事の“キーパーソン”である渡辺武達教授を相手取り、3850万円の損害賠償を求め東京地裁民事第7部(堀内明裁判長)に起した裁判で、第4回の弁論準備手続きが6月8日(火)午後2時から、同部準備室で行われました。今回も、第3回期日に引き続き、電話会議システムによる準備手続でした。

 裁判官は、堀内裁判長と岩田真吾判事補が出席。原告側からは、原告本人である浅野教授と代理人の弘中惇一郎、小原健司、山縣敦彦各弁護士が出席しました。被告側は、渡辺教授の代理人である池上哲朗弁護士が、電話で参加しました。また、浅野教授の支援者3名が傍聴しました。
原告側は、「原告準備書面(3)」を陳述し、「原告証拠説明書(3)」を裁判所に提出しました。被告側は、前回期日で提出留保とされていた「被告第2準備書面」を陳述した後、「被告第3準備書面」を陳述しました。また、証拠として乙1号証を提出しました。被告側は共同不法行為者は誰か特定せよという主張をしており、これは暗に三井愛子氏、中谷聡氏、野原仁氏、津田正夫氏ら文春記事の“共犯者”をなぜ訴えないのかという責任の転嫁あるいは拡散論理に基づくものではと窺えました。

 裁判所は原告側に対して「被告が特定人へ電子メール送信・書簡郵送などをし、インターネット掲示板への書き込み行為をしたことについて、伝播性に関する主張を行ってほしい」と要請しました。
原告代理人の弘中弁護士は被告代理人の池上弁護士に対して「被告は、求釈明をするばかりでなく、原告準備書面(3)の主張に対する認否・反論を併行して行ってほしい」と要請しました。これに対して池上弁護士は「原告からの釈明を前提に認否・反論をするつもりであるが、原告から釈明がなされないので、認否・反論もできない」と反論。弘中弁護士は「原告準備書面(3)の主張に対する認否・反論は、現時点でも十分可能なはずだ」と再反論。堀内裁判長は池上弁護士に対して「原告準備書面(3)の主張に対する認否・反論は、原告の釈明を待たず、次回期日までに行ってほしい」と要請しました。堀内裁判長の要請に対して池上弁護士は「次回期日までに可能な範囲で認否・反論する」と答えました。

 この後、堀内裁判長は原告・被告の双方に対して次回の第5回期日までに「原告は、裁判所からの求釈明に対する釈明(伝播性の主張について)を行ったうえで、被告からの求釈明事項についても検討してほしい。被告は、原告準備書面(3)の主張に対する認否・反論をしてほしい」と要請しました。書面の提出期限は、7月16日と定められました。
堀内裁判長は、第3回期日から本件を担当したわけですが、原告側の主張をきちんと理解しているようです。

第5回期日

 浅野教授が渡辺武教授を相手取り、3850万円の損害賠償を求め東京地裁(民事第七部)に起した裁判で、第4回期日(弁論準備手続き)が7月27日(火)午前11時から、同部準備室で電話会議システムを使って行われました。

 原告側からは、原告本人である浅野教授と代理人の弘中惇一郎、小原健司、山縣敦彦各弁護士が出席しました。被告側は、渡辺教授の代理人である池上哲朗弁護士が電話で参加しました。また、浅野教授の支援者1名が傍聴しました。

 原告側は、「原告準備書面(4)」を陳述し、「原告証拠説明書(4)」を裁判所に提出しました。被告側は「被告第4準備書面」を陳述しました。被告側は書面で「中谷の学部生時代のゼミ担当教授,大学院生時代の指導致授はともに原告」「原告による訴外中谷に対するアカハラ行為が激しくなり、同人が大学院専攻会議へそれを訴え,指導教授の変更を求めたことにより,原告も出席した専攻会議の決定により、指導教授が変更されたものである」などと嘘を連ねました。中谷氏は2004年3月末に大学院博士後期課程を満期退学し、同年4月から同志社大学嘱託講師に就任しており、学籍がなくなったため、中谷氏の指導教授は変更どころか、その存在そのものがありえません。単位取得満期退学した後、3年以内に博士論文を完成させれば、課程博士になります。博士論文を提出する際に、論文審査の主査と副査(2人) が決まります。退学から論文提出までの間は、授業料も払っていないので、院に学籍がなく「指導教授」はいないのです。

 中谷氏は満期退学から約1年半後の05年秋、当時の大学院専攻教務主任に指導教授の変更を事実上申し入れ連絡し、院専攻会議で、「指導教授を山口功二教授に変更する」との提案がなされましたが、「04年3月末に満期退学した元院生に指導教授はつかない」と、社会学研究科事務長に的確に指摘され、この提案は承認されず、流れたままになっています。浅野教授の対文春裁判の確定判決は、03年度以降の指導教授は渡辺教授と認定して います。こういう嘘を裁判所に提出する書面で繰り返し書くというのは信じがたいことです。

 堀内裁判長は「被告側は原告(浅野教授)が主張する被告(渡辺教授)の不法行為の中心である、文春への情報提供の点については、様々に反論している。しかし、原告の指摘する不法行為はそれ以外にも多岐に渡っているので、被告はこれらの点についてもきちんと反論してほしい」と促しました。適切な指摘でした。

 また堀内裁判長は原告側に対して、「今回の書面をよく読ませてもらい、これで十分と考えます。一点だけ、被告(渡辺教授)による証拠の捏造・改竄に関して、補充して主張してほしいと述べました。

 渡辺教授が浅野教授の”ハラスメント疑惑”を持ち込んだこと自体が捏造の産物です。京都地裁と大阪高裁は、C子さんらから渡辺教授に届いたというメールなどを改竄した痕跡があると認定しています。原告側は今後、具体的な資料(証拠)をさらに提出して、証明していきます。

 次回第6回期日は、9月17日午前11時から、東京地裁民事7部準備室(13階)において電話会議で行われます。