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『救援』 2008年12月号

 浅野健一同志社大教授の文春裁判控訴審第四回口頭弁論が、十二月二日(火)午後一時半から大阪高等裁判所(第九民事部)別館七十二号法廷で開かれた。「市民メディア」を提唱する津田正夫・立命館大学産業社会学部教授が、文春側の証人として出廷した。
 津田氏は、E子に関する部分はすべて伝聞情報であったことを認めた。また、「津田教授の陳述書は正しい」としたE子証明書(乙五五の一)は、津田氏が自分で「こういうふうに」と原案を書き、同じ趣旨のX子陳述書(乙五六の一)は津田氏の「指導」(津田証言の表現)でX子が書いたことがわかった。
 津田氏は山口正紀氏の陳述書を完全否定した。また津田氏が平川宗信中京大教授に「浅野セクハラ」を伝え、E子から来た重大なメールを消去したことを証明した山田悦子氏の上申書を否定した。「浅野教授はいつも嘘を書く。私もやられた」と人格攻撃をし、敵意をむき出しにした。〇四年から大学関係者・記者・市民団体へ「浅野セクハラ」を言い触らし、渡辺教授や「反浅野」ジャーナリストと連携していたこともすべて認めた。
 八五年に「マスコミと人権を考える東海の会」などに浅野教授を講演者として呼んだと津田氏は言ったが、彼は同会の主要メンバーではなかった。また、浅野教授と「旧知の友人」関係もない。証言によると、E子から、被害の証拠となるような電子データの類は一切もらっておらず、E子が言ったことを自分で書き起こしただけだ。元恩師と教え子という権力関係を利用して、「E子さんケース」をでっちあげた。パワハラの疑いがある。
 また津田氏は、当時立命館大学セクハラ委員会委員であった岡田まり教授とK職員の実名を挙げ、二人がE子の話を聞いたので、岡田教授に陳述書を書いてくれるように頼んだという。しかし、「E子の件は大学のセクハラ委員会の調査対象になっていない」旨も証言した。調査嘱託について立命館大学・同志社大学とも「回答できない」と回答をしたが、津田氏はベラベラと話した。津田氏が、渡辺武達教授の週刊新潮AV記事の情報源が浅野教授だと妄信したことで、渡辺教授の工作員となったことを証明することとなった。守秘義務を侵した津田氏・岡田教授を立命館大学がどのように処分するかが注目される。また、津田陳述書や三井陳述書に登場して「被害者」とされるY子なる人物について、津田氏は「学部、単位など何もわからない」の一点張りだった。Y子についての記述はそもそも全くの捏造であろう。
 津田氏は「〇七年四月に一度だけ本人にE子さんらのことを質したが、浅野さんは否定しなかった」と偽証した。浅野教授は「E子さん本人から何も言ってきていないが」と津田氏に伝えただけだ。
 八〇年代から、津田氏は浅野教授に「敬意を持っていた」ため、〇四年六月にE子から相談を受けたときは「晴天の霹靂」だったが、浅野教授本人に確認するのは「失礼」なので「同志社の学生、教職員、メディア関係者、共同の記者やOBらに聞いて回った」という。その人数は「何十人」「二十人くらいだ」と証言した。津田氏は〇四年から嘘を言い触らしていたのだ。
 裁判長も津田氏の“証言”にあきれていた。右陪席裁判官は、浅野教授はE子にセクハラ電話などしていないのではないかという趣旨の質問までした。今回の津田証言が被告文春側にとって「打撃」となるのは必至だ。
傍聴したある支援者は「立命館大ではあんな教授がジャーナリズムを教えるのか。学生がかわいそうだ」とコメントした。
 次回期日は二月十三日午前十一時、大阪高裁別館七二号法廷で行われる。次回期日までに双方が最終書面を出し結審となる。         (三津奈悟)
(三津奈悟)
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