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『救援』 2008年9月号

 浅野健一同志社大学教授の「週刊文春」名誉棄損訴訟の控訴審で、原告の浅野教授側は九月四日までに、準備書面、証人申請、原告陳述書、原告の同僚である渡辺武達同志社大学教授の新潮AV完全敗訴判決文などを大阪高裁に提出した。
 準備書面では、文春に対して二百七十五万円の賠償を命じた京都地裁判決の中で、@名誉棄損を認めなかったE子さんと中谷聡氏に関する認定は誤りA記事の主要部分の「大学がセクハらを認定」は虚偽と認め、渡辺教授による証拠の改竄・痕跡を判示しながら謝罪広告を命じなかったのは不当―などと主張した。
 浅野教授の陳述書で、E子さんの「電話被害」告発が、渡辺教授と十年来の付き合いのある津田正夫・立命館大学産業社会学部教授の捏造だと強調した。浅野教授側は、津田氏が三井愛子氏(記事のA子さん)と共謀して、〇五年七月五日から約二週間にわたり、文春記事に出たのと同じ情報を「週刊新潮」編集部にメールと電話で垂れ込み、渡辺教授の大教室におけるAV上映に関する記事を書かせないように圧力をかけた経緯を明らかにした。
 原告側は、津田氏らが新潮に送った十九通のメールのうち、十三通のプリントアウトなどを証拠として提出した。津田氏の電話の会話記録も出した。津田氏は新潮記者(女性)のダイヤルインの電話番号と私的な電子メールアドレスを知っていた。
 新潮記者が〇五年七月三日に渡辺教授へAV問題で取材依頼書を送ったときに伝えた個人情報であり、渡辺教授が津田氏に漏えいしたとしか考えられない。新潮記者が「全く面識のない津田先生がなぜ私の直通電話や個人メールアドレスを知っているのか」と質すと、「私はNHKですから、人脈がそれなりにあります。あなたの個人情報を得るのはなんてことはないのですよ」と笑いながら答えたという。津田教授はNHKの日本軍慰安婦番組改竄でもNHK擁護のコメントをしている。「市民メディア」を提唱する津田教授の正体見たりだ。
 浅野教授側は、新たに甲山事件の冤罪被害者、山田悦子さんの上申書も提出し、証人としても申請した。中谷氏は甲山事件報道を研究しており、山田さんは、中谷氏と浅野教授の“紛争”は講義補助(TA)契約問題に関するもので、研究にかかわるアカハラとは無関係であることを、中谷氏から〇七年六月山田さんに届いた手紙をもとに示した。
 人権と報道・連絡会の大住良太氏は、一審勝訴後もネット上では「一部のハラスメントが事実認定された」などという悪質な書き込みが続いていることを指摘した陳述書を出した。
 浅野教授は一審認定の誤りの部分を正し、全国紙の文春広告欄などでの謝罪広告文の掲載を命じるよう高裁に求めている。
 文春(喜田村洋一弁護士)側からは九月五日現在、何も提出されていない。
 第二回口頭弁論は九月九日午前十一時から大阪高裁別館七二号法廷で開かれる。中路義彦・前裁判長が大阪家裁所長に異動、和歌山地家裁所長の松本哲泓氏が九月三日付で裁判長になった。      (三津奈悟)
(三津奈悟)
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