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2009年5月15日
週刊文春裁判控訴審判決 記者会見資料1

原告 浅野健一
代理人 若松芳也・堀和幸・小原健司・池田良太・徳田靖之・内藤隆
「浅野教授の文春裁判を支援する会」事務局
                                    
 本件は、原告・浅野健一が文藝春秋発行の「週刊文春」(以下、文春とする)2005年11月24日号の《「人権擁護派」浅野健一同志社大教授 「学内セクハラ」を被害者が告発!》と題した記事を「事実無根の捏造記事」として、文春編集長、契約記者らに損害賠償などを求めた名誉毀損訴訟で、一審京都地裁(中村哲裁判長)は08年2月27日、原告の訴えを大筋で認め、被告である文春側に275万円の支払いを命じる判決を言い渡した。詳しい内容については『DECENCY』13号・14号(浅野健一ゼミ編)の文春裁判関連部分および「原告の文春裁判を支援する会」HP(http://www.support-asano.net/)をご覧いただきたい。
 地裁判決は浅野教授の同僚である同志社大学社会学部メディア学科の渡辺武達教授が メールなどの書証を改竄したと認定した上で、文春記事の主要部分を虚偽と判断する一方で、同様の手法で書かれた「Dさん」=中谷聡氏(浅野ゼミ3期生で後に渡辺武達教授の門下に入る、現在関西の私大で講師)と、「匿名・伝聞情報」であるE子さんに関する記述については、名誉毀損を認めないという矛盾した判断を示した。
 また、原告が強く求めた謝罪広告の必要性も認めなかった。被告・文春側は2月29日に控訴。原告もDさん・E子さん部分での名誉毀損と新聞広告での文春訂正謝罪広告を求め、3月7日に控訴した。
以下は、控訴審の経過の概略である。

◆ 原告の文春裁判―控訴審第1回口頭弁論

 控訴審では第9民事部の中路義彦裁判長(第2回口頭弁論から松本哲泓(てつおう)判事に交代)、白石研二右陪席裁判官、岡口基一左陪席裁判官が審理することなり、控訴審第1回口頭弁論は08年7月3日(木)午後3時大阪高裁で開かれた。

◆控訴審第4回口頭弁論―津田正夫・立命館大教授証人尋問

 第4回口頭弁論は、08年12月2日午後1時半から大阪高等裁判所(松本哲泓 裁判長)別館72号法廷で開かれ、津田正夫・立命館大学産業社会学部教授(元NHKディレクター)が被告・文春側の証人として出廷、約2時間にわたり証言した。
 津田教授は、文春記事に「F教授」として登場、記事で「A子さん」(三井愛子・同志社大学社会学部嘱託講師)が「立命館大学の女子学生・E子さんから被害内容を直接聞いた」として文春記者に話した「電話によるセクハラ被害」のでっち上げを補強した人物だ。
 この日の津田教授の証言は、津田教授が「渡辺教授の新潮AV記事の情報源は浅野だ」と妄信し、渡辺教授と連携して文春記事に協力したことを証明するものになった。

◆ 控訴審結審―松本裁判長が職権で和解勧告・協議へ、判決日は5月15日

 第5回口頭弁論は09年2月13日(金)午前11時から、大阪高裁別館7階72号法廷で開かれ、この日をもって控訴審の審理が結審した。判決言い渡しの期日を「5月15日午後1時15分」と指定したが、松本裁判長は続けて「当裁判所としては、職権で和解を勧告したい。本件は意見の対立があり、双方の主張を考えると、和解には異論もあると思いますが、和解の意思があるかどうかも含め、和解協議の期日を決めたい。和解が不調に終わった場合は、5月15日に判決を言い渡すことになる」と述べた。

◆ 控訴審和解協議―文春側が裁判所の和解案拒否

 控訴審の和解協議は3月16日午後1時半から、大阪高裁第9民事部第2和解室で行われた。被告・文春側が裁判所の打診した和解案を事実上拒否し、和解協議は打ち切られた。この結果、前回の期日指定どおり、5月15日午後1時15分から、大阪高裁別館72号法廷で、控訴審判決が言い渡されることになった。

◆ 文春裁判の裏にあった新潮裁判で渡辺教授が全面敗訴
    ―高裁は渡辺教授の請求を却下、最高裁も高裁判決を支持

 本裁判の“黒幕”は浅野教授に「敵意に近い感情を持つ」渡辺教授である。渡辺教授は、「週刊新潮」05年7月14日号記事に「同志社大『創価学会シンパ』教授の教材は『AVビデオ』」という記事を書かれて名誉を毀損されたとして、新潮社と新潮編集長、取材・執筆をした記者の計三者を相手取り、損害賠償請求を起こしていた。この裁判の控訴審判決が08年3月27日、大阪高裁(大和陽一郎裁判長)で言い渡された。大和裁判長 は、新潮らに330万円の支払を命じた一審の京都地裁判決を破棄し、渡辺教授の請求をすべて却下した。この後、渡辺教授は上告。最高裁判所第一小法廷(才口千晴裁判長)は08年7月10日、請求を棄却した二審大阪高裁判決を支持、渡辺教授の上告を退ける決定をし、渡辺教授の全面敗訴が確定した。
 原告の文春裁判控訴審で、原告代理人の照会に対し、週刊新潮元編集長の早川清氏が2009年2月5日付で「(新潮記事A氏は)浅野健一教授とは一切無関係」という回答をした。この回答書面は原告側の書証として提出された。渡辺教授は、原告への敵愾心から、原告が週刊新潮に情報を持ち込んだと信じきっていたが、それは完全否定され、渡辺教授の認識が間違っていることが完全に証明された。

(以上)
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